中学受験を始めるお知り合いが増えてくれば「うちの子も受験したほうが良いのかな？」とお考えになるのは自然かと思います。
そのさいは中学受験の良い面だけでなく、注意すべき点やご家族の関わり方なども含めて検討してはいかがでしょうか。
お子さんやご家庭にとってより良い教育とは何かを考えるきっかけにもなるはずです。

たとえば中学受験はお子さんの学びへの意欲を刺激し、自立心を育てる絶好の機会になり得ます。
しかし受験にともなう不安やプレッシャーはもちろん、塾やご家庭のサポートの仕方によっては勉強それ自体がストレスの源にもなりかねません。
だからこそどんな塾がお子さんに適しているか、家庭でどのように関われば良いのかをしっかり情報収集してから決定することをお勧めします（家庭でのフォローや学校選びについては他のご相談をご覧ください）。

お子さんにとって最適な教育環境を見つけ出すことが「やって良かった！」と思える中学受験への第一歩です。
正解は一つではありませんが、ご家族にとってより良い選択を見つけ出すことはできます。
わが子の幸せを願い、成長を期待してどんな道を選んであげるのか。
この「中学受験相談室」がその一助になれば幸いです。

中学受験を始めるタイミングを決めるのは難しいですよね。
もちろん明確なスタート時期が決まっているわけではありませんが、受験単元の本格的なスタートである小4から通塾を開始されるご家庭が多くいらっしゃいます。

ただし塾へ通い始めるのと同時に中学受験の勉強、特に受験算数に取り組み始めるのはお子さんにとって想像以上のストレスになってしまう場合も。
そのため受験算数が始まる前の小3のうちに計算力や集中力を伸ばしながら学習習慣をつけることができたら理想的です。

もし小3から塾に通うことを検討するのであれば、塾によって学習内容や教材が大きく異なるため慎重に選ぶ必要があります。
ご家庭の方針と塾のカリキュラムが合っているか、お子さんに無理な負担をかけずに楽しく通えそうな雰囲気かどうかを丁寧に確認しましょう。
小3から通塾するメリットを最大限に生かしてくれる塾を見つけてくださいね。

共働きのご家庭の多くは「親が中学受験の勉強をフォローできるか」という不安をお持ちです。
保護者様としてはお子さんをしっかりフォローしたいと願う一方で、日々の忙しさや勉強の内容に対する不安があるかと思います。

学習相談や保護者面談で寄せられる勉強のフォローについてのお悩みは大きく2つです。
①一人で解けない問題があった時はどうするか
②宿題をやりたがらない時はどうするか
それぞれ順にお話します。

まず「①一人で解けない問題があった時はどうするか」です。
ご存じのように中学受験の問題は多岐にわたり、時には大人でも難しいものがあります。
もし親が直接教える時間が取れたとしても、「理解した」という子どもの言葉が本当の理解につながっているかは別問題です。
家庭での学習が、ただの時間の消費に終わってしまうことも少なくありません。

次に「②宿題をやりたがらない時はどうするか」について。
宿題への取り組みは子どもの気持ちやその日の状況によって左右されがちです。
ただ単に宿題を強制するだけではせっかくの学習機会を無駄にしてしまう恐れがあります。
こうした場合、子どもが自発的に勉強に取り組むような環境作りが重要になります。

そもそも本来は安らぎの場であるご家庭だけで勉強のフォローをやりきるのは並大抵のことではありません。
結果的に「子どもが勉強嫌いになってしまった」「親子で疲弊するだけだった」などのネガティブな話も多くうかがいます。
共働きであってもそうでなくても、中学受験の勉強をご家庭でフォローして伸ばすのは想像以上に難しく、成果につながりにくいものです。

だからこそ勉強のフォローについては通っている塾の先生と根本的な対処を相談されるのが最善手になることが多いです。
塾さんによっては「勉強面のフォローは塾にお任せください」というところもあります。
ご家庭の方針やスタイルに合った塾を探してみてくださいね。