選択の日は君にも必ずやってくる。
休みの日、君が友達と服を買いに行ったとしよう。
そこはおしゃれなTシャツをたくさん売っている人気のお店だ。
色とりどり、いろんな柄のTシャツがきれいにたたまれて並んでいる。
友達はさっそく手にとって選び始めた。
「じゃあ……」
君も手を伸ばした瞬間。
「ちょっと待った!」
店内にひびく男の声。
おどろいて振り返ると、お店の人がこっちを見て立っている。
「悪いけど、君はこれってもう決まってるんだ」
そう言った店員さんの手には白いTシャツ。
状況がまったくのみこめないまま、受け取って広げてみる。
すると、胸の部分に大きな極太の字でこう書いてあった。
にくまん
「君は選べないんだ。それでがまんしてね」
帰り道、友達の手にはさわやかなブルーのTシャツが入った袋が、君の手には「にくまんTシャツ」が入った袋が提げられていた。
――こんな状況、想像するのもいやだよね。
でも自分で選べないっていうのはこういうこと。
同じことが受験でも起きるんだよ。
どんなに雰囲気が自分に合っていても、どんなに制服がかわいくても、どんなに入りたい部活があっても、成績や学力が足りなかったらその学校は選べない。
入れればどこでもいい?
そんなこと言えるのは今だけだ。
受験が近くなっていくつか学校を見に行けば、行きたい学校と行きたくない学校が絶対に出てくる。
そこで行きたい学校を選べるかどうかは、君がどれだけがんばってきたかで決まるんだよ。
数ヵ月後かもっと先か、いずれにしろ選択の日は君にも必ずやって来る。
絶対に来るってわかっているんだから、前もって準備をしておかないと損だ。
選べる受験と選べない受験、それは君が決めること。
自分で選びたいならがんばってやろうよ、ね。