塾の仕事を始めて20年以上。
先生になりたてのころはいろいろと苦労したけれど、いちばんタイヘンだったのが「叱り方」。
叱るのってとても難しいんだ。
下手な叱り方をしてしまうと意味がないばかりか逆効果になってしまう。
ほんとうは叱りたくなんてないよ。
でも、その子のことを考えるなら、叱らないといけない時がけっこうな頻度でやってくる。
何年も悩んで学んで、、、をくり返すうちに、ようやく「叱り方の極意」のようなものが分かってきた。
もしかしたら君も部活や委員会で後輩を叱ることがあるかもしれない。
今は必要なかったとしても、いつかは誰かを叱る立場になる可能性もある。
その時のために次の7か条を心のどこかに留め置いてくれると嬉しいな。
【叱り方の極意7か条】
①その場ですぐに叱る…時間がたつほど効果は薄くなる。何かあったら「すぐにその場で」が基本。
②行動に絞る…「情けない」とか「だらしない」など性格を叱るのはNG。叱るのは「やってしまったこと/やらなかったこと=行動」に限定する。
③比較しない…「○○君はできるのに」のように他者と比べない。劣等感や比べられた相手に悪感情をもつきっかけになる。
④他者を絡めない…「○○先生に叱られるよ!」というのは「○○先生に見つからなかったら大丈夫」に。叱るときは自分の責任のもとで「ダメ」と言い切る。
⑤理由を説明する…「なぜダメなのか」の理由もセットで伝えると納得感がまるで違う。
⑥叱る時は30秒以内で…ダラダラと叱っていいことは一つもない。スパッと叱って、その後は何事もなかったかのように口調も表情も切り替える。
⑦過去を持ち出さない…「あの時も~だった」と言われても本人はどうすることもできない。叱る対象は「今」に限定する。
以上が僕の考える「叱り方の極意7か条」だ。
叱るって大変だよ。
疲れるし、相手に嫌われる可能性だってある。
もし先生や親御さんから叱られることがあったら、それは君のことを大切に思っているから。
その場では面白くないだろうけれど、「自分のために叱ってくれたんだ」と考えるのは君にとってプラスになる。
僕も叱られた思い出はけっこう残っているけれど、今振り返ると感謝しかない。
君だって大人になったら誰も叱ってくれなくなる。
叱ってもらえるのは今だけの特権なんだ。